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2004年3月号 掲載

新潟県
 越乃寒梅 超特撰 石本酒造 「越乃寒梅」醸造元 (TEL 025-276-2028)
――百年の銘酒造り

『越乃寒梅』で有名な石本酒造。昨年社長に就任した石本龍則さんに今後の抱負などお話を伺った。「私が4代目になります。祖父や父の味というのは、基本的に身体で覚えていますし、家庭料理のように代々受け継がれるものと思いますが、同じ人間ではないので最後は自分の舌が頼りですね。瓶詰め前には必ず会長と私のき酒で出荷の判断をしておりますが、今後更にみがきをかけていきたいと思っています。それがお客様への信頼につながればと考えています。それに人まねはできないので、『越乃寒梅』の基本的な味は変えずに、自分の味を造っていくしかないと思っています。酒造りというのは、毎年同じということはないので、毎年一年生だと思っています」。吟醸の酒粕を再発酵させてタンクで5年貯蔵しているという乙焼酎。醸造用アルコールではなく、その乙焼酎を添加しているという大吟醸の特醸酒(限定品)は、『越乃寒梅』ならではの深い味わいと余韻が楽しめる逸品。「もうすぐ創業100周年なんです。今までの歴史を残すためDVDを制作中です」と笑顔で話してくれた。
越乃寒梅 超特撰
500ml/3500円

麒麟山 大吟醸辛口 麒麟山酒造 (TEL 02549-2-3511)
――伝統の辛口を守る

名峰・麒麟山や、麓を流れる阿賀野川、常浪川など美しい自然環境に恵まれた津川町。この地で辛口の伝統を守り続けているのが麒麟山酒造だ。商品全体の6割のシェアを持つ『麒麟山 伝統辛口』は、飲み飽きしないすっきりとしたキレが自慢。「この『伝統辛口』をベースに新しく展開する辛口シリーズ(大吟醸辛口、純米吟醸辛口、吟醸辛口、生酒辛口)をこれからの『麒麟山』の顔に育てたい」と常務取締役の斎藤俊太郎さん。
出荷は県内が約75%で、地元との関係を大切に、その上で一昨年、直送登録店方式を確立し、首都圏を中心に顔の見える営業を行っている。
また、代表取締役社長の斎藤吉平さんが会長を務める新潟県酒造組合では、創立50周年を記念し、初の大規模イベント「にいがた酒の陣」を開催。2月21、22日、組合加盟蔵元が新潟市の朱鷺メッセに集結するもので、斎藤常務は「酒どころ『新潟ブランド』をアピールするとともに豊かな食文化も一緒に味わってもらえれば」と話して下さった。
麒麟山 大吟醸辛口
1800ml/4500円

緑川 吟醸 緑川酒造 (TEL 025-792-2117)
――軟水を生かした柔らかさ

清流・魚野川のすぐ近く、一面の銀世界の中にひっそりとたたずんでいた緑川酒造。県外への出荷が7割を占めるが、「『緑川』のことをよく知っていて、その魅力をお客様に伝えてくれる酒販店がたまたま県外に多かっただけのことです。私共にとっては『緑川』ファンがいればそこが地元です」と代表取締役社長の大平俊治さん。
魚沼丘陵の伏流水であるミネラル分の少ない軟水を使って酒を仕込み、低温貯蔵設備の中でゆっくりと醸し出すことで、『緑川』特有のバランスのよい、柔らかい酒を生み出している。
「新潟には、よいものを造りだす歴史があります。先輩の培ってきたものをしっかり守りよいものを磨きながらやっていきたい」と大平社長。
また大平社長は新潟県酒造組合の副会長でもあり、創立50周年記念事業「にいがた酒の陣」について「新潟に来てもらって、その風土の中で新潟の酒と食を味わってもらい、本当の新潟というものを知ってもらいたい」と語った。
緑川 吟醸
1800ml/2600円

八海山 吟醸 八海醸造 「八海山」 醸造元 (TEL 025-775-3121)
――大吟醸の味わいを目指し

酒を造るうえで、最適な環境条件に恵まれた魚沼の地。この地で常に高品質を目指し、年間商品を清酒、本醸造、吟醸、純米吟醸の4アイテムに絞って酒造りをしているのが八海醸造。
「目指す品質の最終目標は大吟醸。年間商品4アイテムの品質を、すべて大吟醸レベルにしようと常に努力しています」と代表取締役社長の南雲二郎さん。生産量はレギュラー酒の清酒、本醸造が全体の83%絶対的なウエイトを占めているが、これも『八海山』の品質の高さが人々に認められているからこそ。
また今年5月にはレギュラー酒用の蔵を新造予定。設備の充実に、人材の育成や材料の高品質化など会社の総合的な体制もより良くし、これからもこだわりの酒造りを貫いていく姿勢だ。
昨年末には、魚沼の自然などを通じて八海醸造のことを知ってもらおうと季刊誌『魚沼へ』を創刊。魚沼の魅力がいっぱい詰まった内容で、送料分の切手(80円)を送れば入手できる。興味のある方はぜひ。
八海山 吟醸
1800ml/3304円

越乃雪椿 純米酒 雪椿酒造 (TEL 0256-53-2700)
――手造りが生み出す吟醸酒

新潟県の県木、また地元加茂市のシンボルマークでもある「雪椿」を蔵の名に、手造りにこだわった伝統の技で酒を醸し続ける雪椿酒造。その味わいは数々の鑑評会で認められ、昨年も酒類総合研究所の全国新酒鑑評会で金賞に輝いている。「全国的に見れば淡麗ですが、新潟の中ではそれほどでもなく、少し味わいを残した酒を造っています」と杜氏であり一級酒造技能士の二宮一行さん。県内で使用比率の高い淡麗辛口に適した五百万石と、より味わいが出る山田錦を使い分け、味に重点を置いた酒造りをしている。
また、造っている酒はすべて吟醸規格の“吟醸蔵”。大型仕込みはせず、1本6000リットルのタンクで少量ずつ仕込む。二宮杜氏は「手作業が多く酒母の前半の荒櫂は手でやります。櫂棒を使うとどうしても米を潰してしまうので…。私たちは昔から『櫂で潰すなら麹で溶かせ』言われており、それを実践しています」とこだわりの一端を聞かせてくれた。
越乃雪椿 純米酒
1800ml/2427円

鶴齢 特別純米 青木酒造 「鶴齢」醸造元 (TEL 025-782-0023)
――地元に愛され続ける酒

魚沼産コシヒカリで有名な雪深い塩沢町に青木酒造はある。巻機山の清らかな伏流水、そして米どころ魚沼の上質な酒米によって造られる『鶴齢』は、淡麗でありながら、それでいてしっかりとした味わいがある旨口タイプ。専務取締役の青木貴史さんは「新潟は淡麗宣言をしましたが、すっきりした辛口だけでなくいろいろな淡麗があってもよいのではないでしょうか」と、この味を大切に守っている。そして、コンテナ型冷蔵庫やサーマルタンクの導入など、味への設備投資は惜しまない。また生産量の80%はここ魚沼に出荷しており、地元でどれだけ愛されている酒かが、うかがい知れる。さらに郡外でも新しい取引先が着実に増えてきており、『鶴齢』の知名度は確実に上がってきている。
今年は冷夏による米への影響が懸念されたが、「昔から『不作のときにはよい酒ができる』と杜氏の間ではいわれており、今年は例年以上によい酒ができるのでは」と青木専務は自信に満ちていた。
鶴齢 特別純米
1800ml/2800円

山廃仕込み 越後の長者 新潟銘醸  「越の寒中梅」醸造元 (TEL 0258-83-2025)
――新しい取り組みに挑む

地元の人々に愛され続けている『長者盛』と、首都圏で人気を獲得している『越の寒中梅』。この二つの酒を生み出しているのが新潟県のほぼ中央、錦鯉発祥の地として知られる小千谷市にある新潟銘醸だ。五百万石を平均57%まで精米し、低温で長期熟成させるお酒は「旨口で味はありますが、すっきりとしています」と常務取締役の山下進さん。平成14年には新潟県の酒造業界では初めて「ISO9001:2000」の認証を受け、代表取締役社長の吉澤貞雄さんは「顧客重視の理念のもと、お客様のご要望を尊重し、継続的な改善を心がけています」と話す。その一環として、出来上がった酒の品質を社員30人ほどでチェックする「酒研会」を設立。味わいについて、妥協なき議論が交わされるという。
また、高品質の酒米にこだわり、黒酢農法で栽培した五百万石を使った『越後の長者』を醸すなど、新しい取り組みにも次々と挑んでいる。
山廃仕込み 越後の長者 純米吟醸
720ml/1500円

越乃景虎 龍 諸橋酒造  「越乃景虎」醸造元 (TEL 0258-52-1151)
――超軟水を生かした辛口

上杉謙信ゆかりの地、栃尾市にある諸橋酒造。近くに名水百選「杜々の森の湧水」があることからも分かるように、清澄な水が豊富で、この地の酒造りに深く関わっている。
また県内有数の豪雪地帯としても知られ、取材当日も外は深々と雪が降っていた。「この雪がじわじわと地中に浸透し、よい地下水を生んできた」と話すのは取締役社長の諸橋乕夫さん。地下水は超軟水のため高度な醸造技術を要するが、この性質をうまく生かし、酒米は五百万石をベースに、さわやかな飲み口と辛口でありながら口当たりよく辛さを感じさせない味わいの酒を醸す。「地元の消費があって育ってきた蔵なので、地元の人が普段の晩酌用として、どんな食事にも合って、しかも安く飲めるように作った」という主力商品の『越乃景虎 龍』は、「コストパフォーマンスの高いお得な酒」と諸橋社長自らすすめる自信作。燗につけてもそのまま冷やでも、好みに合わせて楽しめる、スーッとキレのよい味わいが特長の酒だ。
越乃景虎 龍
1800ml/1750円

夢 純米大吟醸鶴 市島酒造  「王紋」醸造元 (TEL 0254-22-2350)
――少し甘めの味わいに着目

新潟空港に降り立つと、いきなり目に飛び込んできたのが柱に描かれた『夢』の文字。新発田市は諏訪神社のすぐ近くにある市島酒造の商品案内だ。この蔵の酒は加治川の伏流水を使い、酒米は五百万石がベース。とくれば淡麗辛口をイメージするが、「うちは山形に近いので味がのっていて、県内でも甘み・丸みのあるのが特長です」と代表取締役社長の市島健二さん。
今後の味の展開について訪ねると、「いまの食生活の中には、甘さが増えている気がします。また蔵見学に訪れた人々にお酒をブラインドテストしてもらうと、かなりの人が甘めの味わいを好むことが分かりました。このことから、もう少し甘みとふくらみのある酒を造っていこうかと思っています」と話してくれた。
代表銘柄は『王紋』で、芳醇なコクとまろみを持ち地元で支持を得ている。また昨年発売した純米大吟醸『夢』は山田錦を40%まで精米し、長期低温発酵させた、穏やかな香りとふくよかな味わいが特長の逸品だ。
夢 純米大吟醸
1800ml/8000円
 


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