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2005年7月号 掲載

和歌山県

(順不同・価格は税込)

越乃景虎 龍 田端酒造(和歌山市) (TEL 073-424-7121)
――「羅生門」醸造元

「龍壽・羅生門」で知られる田端酒造。同商品は、食品のノーベル賞といわれる「モンドセレクション」で17年連続世界一を獲得する快挙を成し遂げるなど、県内外はもちろん、海外でも販売されるという輝かしい実績を持つ伝統ある老舗だ。
同商品は原料に良質な山田錦を使用。南部・但馬の両杜氏が技術を競いながら丁寧に仕上げている。「いくらいい米でも、それが生きるかどうかは杜氏の技術次第」と同社の田端薫社長。なるほど、杜氏の技術あっての商品であることを裏付ける言葉だ。
そんな商品だからこそセールスをせずとも注文が絶えないという点はさすが。「それは本当にありがたいことです。品評会で賞を取る取らないよりも、最終的には商品を買って頂いたお客さんが『うまい』かどうかを決めて下さることが大切なんです」と田端社長。この謙虚な姿勢と確かな技術が消費者の心をグッと掴み、今後も心地よいほろ酔い気分を楽しませてくれそうだ。
龍壽・羅生門
720ml/5250円

高野山般若湯 初桜酒造(かつらぎ町) (TEL 0736-22-0005)
――「高野山般若湯」醸造元

2004年7月に世界遺産登録された高野山。その高野山の近くに位置し、地元で昔から愛される日本酒を造ってきた初桜酒造は紀ノ川のほとりにあり、明治2年に建てられたという蔵は古き良き風情を醸し出している。
同社の主力商品「高野山般若湯」は純米酒と純米吟醸の2種類。以前は高野山でしか売られていなかったが、現在は県内をはじめ、県外での需要も多くなった。「高野山の世界遺産とともに、全国的にほしいという人が増えましたね」と語る同社の笠勝清人取締役社長。着用する同商品オリジナルTシャツも、その好調ぶりを象徴しているようだ。原料は、酒造好適米といわれる「美山錦」。高野山の避寒地天野で栽培され、葛城山系の伏流水の井戸水も使われるなど「100%地元産」にこだわりをみせる。そんなこだわりの味はやや辛口で、冷や、ぬる燗で飲むのがベスト。今後は「高野山の地酒」というイメージを定着させていくのが目標だそうだ。

高野山般若湯
720ml/1680円



紀伊国屋文左衛門
中野BC(株)(海南市) (TEL 073-482-1234)
――「長久」醸造元

中野BC(株)は、平成14年に中野酒造・富士食研・紀州ワインの3社が合併して誕生した。
「これだけ日本酒の需要が落ちましたら、酒だけでやってるところは大変でしょうね。うちはほかに、みりん、梅酒など小さな小柱があります。よく社長が言いますが、大黒柱一本では家は建たない。これからはそういうことを考えなければいけないですね」と同社の西田圭史常務は語る。
同社の大黒柱はもちろん日本酒。小柱は焼酎、リキュール、梅酒となっているという。今年は梅酒が小柱から中柱くらいに成長。粕取り焼酎の製法をベースに、酒粕を溶かした醪に梅種を入れ減圧蒸溜した梅種焼酎『風待草』も好調だ。
同社の日本酒といえば、「長久」が知られているが、「紀伊国屋文左衛門」もオススメの逸品だという。紀州が生んだ豪商の名から命名したというこの酒は、純米酒独特の重みを感じさせず、端麗な味が特長だ。
紀伊国屋文左衛門
1.8L/2233円

純米酒 紀州魁

祝砲酒造(和歌山市) (TEL 073-424-4141)
――「祝砲」醸造元

「祝砲」の呼び名で親しまれる和歌山市の祝砲酒造。甘さと辛さの絶妙なバランスと、その「語呂の良さ」から祝い事に使われることが多いという。
「日本酒が低迷している原因のひとつは、質の低下にあると思います。いい日本酒はいい米があってこそ。米からの農産加工品として、その土地の水・風土・米、そこに杜氏の技が融合してこそ特徴を持った本物の日本酒が出来るのだと思います」と林嘉壽雄社長は話す。
そんなこだわりを持った林氏は「ぜひ純米酒を味わって頂きたい」と話す。おすすめ商品は「紀州魁」とのこと。口当たりやわらかい味わいが印象的で、冷やでも燗でも飲みやすく、その繊細な香りは女性からの人気も高い。「価格競争はしない」という信念のもと日本酒一筋に取り組んでいる祝砲酒造。「今後も日本酒のよさを伝えていきたい」との姿勢で臨む。
純米酒 紀州魁
1.8L/2280円


大吟醸 亀の歩み
吉村秀雄商店(岩出町)  (TEL 0736-62-2121)
――「日本城」醸造元

同蔵の主銘柄は「日本城」。「うちは日本酒をなんとか復活させようという意気込みです」と同社の安村勝彦統括部長は話す。今年から地元の農家と契約して山田錦を栽培するという新たなスタートを切った。
そのスタートとともに出された新しいブランド「亀の歩み」は、「亀のようにゆっくりと進み、日本酒を少しずつ変えていこう」という思いから名付けられたもの。まとまりのある香りと上品な味わいは、日本酒を知らない人でも飲みやすい。
山田錦の栽培場所は高野山のふもと、かつらぎ町天野。休日に社員で契約栽培先に田植えのお手伝いに行くこともあるという。
「これまでの地酒は、地元で造ってるから地酒というだけで、県内の米を使っていたかといえばそうでない例が多かった。私らは自分らの手で造り、造ったものの顔が見える本当の地酒を造りたいんです」。安村部長の言葉に、同社が新たな道を一歩一歩着実に歩んでいることが伺えた。
大吟醸 亀の歩み「アカルイ」
720ml/4000円


純米大吟醸 純真無垢
平和酒造(海南市)  (TEL 073-487-0189)
――「万葉の和歌鶴」醸造元

「この地区は田んぼと井戸が多く、昔は酒蔵が4〜5軒あったんですよ」と語る平和酒造の山本典正営業部課長。同社のある海南市溝ノ口は水資源が多く酒造りに適した地。貴志川のほとりに位置する同社は、その透明な伏流水を利用して酒造りを行っている。
低迷する日本酒業界に、山本課長は「業界が伸びるためには、価格帯なども含め一般のお客様がおいしい日本酒を飲みやすくする環境が必要」と話す。
「気軽に本物を」という気持ちから、こだわりの商品「純真無垢」1.8Lを2000円台中ごろで提供。山田錦を使い、杜氏さんと若き杜氏補佐が仕込みの際はほとんど寝ずに造っている自信の商品だ。「それだけ手をかけた商品を高価格で売らないのはもったいないと思う時も正直ありました。けど杜氏の力作だからこそ、適正な価格で皆さんに飲んで頂きたいんです」と熱く語る山本課長。まさに商品名のごとく『純真無垢』な姿勢で、おいしい日本酒を提供する。
純米大吟醸 純真無垢
1.8L/2475円
 


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