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藤本義一の
ほろよい相談室 |
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連載100回、最終回にあたって |
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1999年に始まったこの「藤本義一のほろよい相談室」も、今回で100回目、最終回を迎えることになりました。そこで、8年あまりにわたり相談の回答者をつとめていただいた藤本義一さんに、99回の回答を終えての、正直な感想を綴っていただきました。 |
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(月刊「たる」編集部) |
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売り手の相談が欲しかった |
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このホロヨイ相談室も百回目を迎える。
最終回である。
四百字詰原稿用紙に二百五十枚書いたことになる。
酒に関する相談に答えてきたが、相談内容に“現実”そのものがなかったような気がする。もっと切実な“酒と人生”とか“酒生涯”といったものがくるかと思っていたが、全て甘いものが多かった。これは質問者の人生の奥に因した問いかけが全くなかったからだと思う。
そして、酒を飲む方の相談が大半で、酒を飲ます方の相談が皆無だったのも不思議である。私もいくつかの酒場を知っている。東京、大阪、神戸……、その他の土地で酒を提供しているマスターやママの苦悩を知っているが、そういう人たちの相談が届いたことがない。もっと切実な店の経営改革がある筈なのに、それがない。
総じて、飲んでいる客の悩み相談である。
私は五十年余りドラマや、シナリオ、小説を書いているが、取材の主人公になっていくのは酒を売る“経営者”なのである。ところがそういう人たちは一人として登場してこなかった。
だから、相談がどうしても具体的な回答に繋がらないのである。
酒は売買によって成り立つものである。この場合、売り手の方が相談したい事柄を常に持っている。時代の変化とサービスの仕方とか、店の拡張と客の品位の定め方とか、従業員に対する経営者の姿勢といったものとか、飲み代を借用した人物にどう対処すべきかといった悩みである。
酒というものは、売る方と買う(飲む)方との関係では売る方が沢山の相談を抱えているのに、それが一切見当たらない。
私自身、店の経営者(ママとかマスター)から雇用関係とか資産使途の方法について、この四十年間は相談を受け、その回答を法的な部分とか心理的部分からアドバイスしてきたものである。弁護士じゃないが、借財のこととか、返済のことについてやってきた。これで救われた店というところも多い。水商売には次のような原則がある。
水は高きより低きに流れる。
水は方円の器に従う。
水でも商売になって儲かる。
こういう楽しい酒談義が今回の相談の中に皆無だったことがなんとも惜しい気がする。 |
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回答:藤本義一 |
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